プレスリリース

報道関係者各位
2020年05月26日
株式会社 社会情報サービス

第3回新型コロナウィルス感染症に関する医師意識調査(第2回調査追跡)
<新型コロナ感染症患者の急な重症症例の経験>

感染症を疑った患者診療医師66%のうち実際に患者を診療した医師は34%(全体の22%)
重症例を診療した医師38人中8割は急な重症化症例を経験
PCR検査を半数以上が手配まで行っており、医師自身の診療患者のフォローを行いたいとしている

  第2回医師意識調査対象1004人の中で結果新型コロナ感染症を疑った患者がいるとした医師が66%であった。今回それらの回答を寄せた医師668人に対して追跡調査を行った。回答は532人、回収率80%。
調査は5月5~8日で行われた。

<急な重症化の経験は重症例を診た医師38人中30人>

 回答があった532人中実際に新型コロナ肺炎患者を診療したとする医師は172人で32%であった。重症度別の患者数はそれぞれ平均で軽症3.19人、中等症1.3人、重症0.51人、不明0.04人と重症は約1割となる。ただ重症例を診たとした医師38人中、30人は急に重症化をした症例を診たとの回答であった。
これらの医師からは、「自宅待機中に呼吸不全をきたし緊急入院となった」、「肺炎でICU入室後経過安定していたが、急にSATが低下して挿管を要した」など急な重症化の状況の報告があった。

<PCR検査は医師の半数以上は疑った患者が確実に検査できるよう手配を実施>

 PCR検査についての現状の対応を意識については、5月上旬段階で54%の医師は確実に検査ができるように手配を行っているとしていた。他の医師は手配までは行わないが強く推奨が23%、患者が希望した際に相談窓口に連絡が16%であった。医師が積極的にPCR検査を受けるようにしている状況がうかがえる結果であった。

<患者の受診抑制の中、医師も通常時の患者の原疾患の変化に懸念も>

 日常診療患者における新型コロナ感染の疑いについては、「発熱・咳などがある患者は新型コロナウィルスに感染していないかどうか疑う」が53%であったが、「診療するすべての患者について新型コロナウィルスに感染していないか疑う」とする医師も32%となっており、患者の受診抑制が現れる中で医師側も神経を使っている状況ももうかがわせる結果であった。

<受診抑制の中で患者の原疾患の変化への懸念が高まってきている>

 新型コロナウィルスに関する意識として、「感染力の強さ」「重症化の早さ」「感染意識」などについて、3月上旬・4月上旬・5月上旬での意識の変化を見たところ、“重症化するのが早い”“発症から回復までの期間が長い”“自身が感染するという危機感”“自身が感染させてしまう危機感”など多くの項目で意識の変化が見られた。中でも「来院や入院患者の原疾患に対する変化について注視する必要を感じる」という回答が毎回上昇しており(32%・46%・52%)、新型コロナ感染症に対する不安が患者の診療の抑制を招いているなかで、原疾患治療への影響を懸念している医師が増えていることを示す結果となった。

 5月26日、首都圏も緊急事態宣言解除となり、これからは通常の診療状況に徐々に戻るかどうか様子を見ていくことになるが、大事なことは原疾患に対する治療が適切に行われることであり、それを取り戻すのが望ましい姿と言える。一方、今後も新型コロナウィルス感染症は患者の発生が続くことは避けられず、重症例や軽症・中等症から急に重症化をする症例についての注意も継続していく対応が望まれる。

 本調査の結果は、調査に協力した医師へのフィードバックと報道資料としての提供、また医療医薬品関連企業などに対しても提供している。


調査概要

調査対象 第2回調査回答1004人の中で新型コロナ感染症を疑った患者がいるとした668人の内科系医師
調査対象条件 100人/月以上の診療をおこなっている医師
対象診療科 一般内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、代謝内分泌糖尿病、血液内科、神経内科、精神・心療内科、小児科、その他
使用パネル SSRIパネル
有効回収数 531人(調査依頼668人中)
調査実施期間 2020年5月5日~2020年5月8日
調査項目
  • 診療患者数(4月)
  • 新型コロナウィルス肺炎患者診療有無
  • 新型コロナウィルス肺炎患者数
  • 重症度別患者数
  • 急に重症化の有無
  • 13項目の重症化サイン説明意向
  • 新型コロナウィルス感染疑い患者へのフォロー意向
  • 通常診療時への感染疑いへの意識
  • 新型コロナウィルスに対する意識変化の状況(3月・4月・5月)

■本件お問い合わせ先

株式会社社会情報サービス
担当 傳農、高辻、木原
TEL 03-6709-9710
FAX 03-5361-7431
e-mail傳農:hdennoh@ssri.com
高辻:ytakatsu@ssri.com
木原:jkihara@ssri.com
■株式会社社会情報サービス
設立 1982年4月
資本金 2700万円
代表者 代表取締役 牧田 孝
従業員数 137名
所在地 本社
〒162-0067
東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F
大阪支社
〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F
関連会社 PDリサーチ株式会社、SSRI China Co., Ltd.(中国法人)
URL https://www.ssri.com/
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