プレスリリース

　株式会社社会情報サービス（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：牧田孝）は提携する米国のカンター社が企画・実施する世界11か国の国民健康調査National Health and Wellness Survey（NHWS）¹および独自調査²により公開した、COVID-19による世界の生活者への影響についての分析結果を公表いたしました。

　NHWSは世界11か国において、原則的に一年に一回生活者を対象に行っている大規模な健康意識調査で、生活者の属性や生活の質および165以上の疾患・症状について有病率や有病者の治療、本人の状況について聞いています。今回2019年のNHWSデータ及び、2020年については国ごとの再抽出調査結果との比較により鬱症状と不安症状についてCOVID-19の影響が確認されました。また2020年についてはCOVID-19によるオンライン診療（Telemedicine）やその他影響についても別途の追加質問を行いました。

　鬱症状についてはPHQ-9³、不安症状についてはGAD-7⁴のスケールを使用し、いずれも軽症から重症（mild-severe）に該当する比率を算出しました。それによると、世界11か国における平均値は鬱症状が2019年の37％から2020年が48％と11ポイント増加していることが示されました。一方、不安症状は2019年の33％から2020年の53％と20ポイント増加していました。

　また、2020年の調査では、11か国生活者平均で41％は医師への受診をキャンセル・延期またはオンライン診療（Telemedicine）に変更したとしており、その内容としては定期的な診療や検査など緊急性の低いものでした。一方医師の方からオンライン診療（Telemedicine）を勧められたとする割合は27％と、11か国平均で全体の4人に1人を上回る結果となっています。

　この傾向は欧米で高く、米国は55％、ヨーロッパはイギリスの32％からスペインの63％まで国による差が確認されました。東アジアは中国都市部が40％とやや高いが、韓国25％、台湾24％と欧米に比べ低く、日本は12％と最も低い結果でした。我が国の患者の受診抑制は顕著な減少と認識されているが、欧米の状況はより深刻であることも示唆されます。

　世界的なパンデミックとなっているCOVID-19は、社会にニューノーマルをもたらしたとされていますが、その中で感染に対するリスクを感じながら生活する世界の人々は、精神的な疾患症状を持つ比率が高くなったことが明らかとなり、これに対する社会的なフォローについての必要性の議論を示唆したものと考えられます。

　英語版プレスリリースはこちらをご覧ください

再抽出調査2020
(Kantar. July 2020. Impact of COVID-19: A National Health and Wellness Survey Recontact Study, 2020. New York, NY.)

¹Kantar. National Health and Wellness Survey. New York, NY.
²Kantar. Impact of COVID-19: A National Health and Wellness Survey Recontact Study, 2020. New York, NY
³Kroenke, K., Spitzer, R.L., & Williams, J.B. (2001). The PHQ-9: validity of a brief depression severity measure. Journal of General Internal Medicine, 16606-613.
⁴Spitzer RL, Kroenke K, Williams JBW, Löwe B. A brief measure for assessing generalized anxiety disorder—The GAD-7. Arch Intern Med. 2006;166(10):1092–7. doi: 10.1001/archinte.166.10.1092

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