プレスリリース

報道関係者各位
2021年07月21日
株式会社 社会情報サービス

日本と米国における希少・難治性疾患の新薬要望率(アンメットニーズ)比較を発表

両国とも “全身性エリテマトーデス” と ”シェーグレン症候群” の新薬ニーズが上位となるが、
米国での対人口患者数が多いとされる “全身性エリテマトーデス” は要望率が日本を上回る

希少・難治性疾患の新薬要望率の国別の違いも医薬品開発の指標に

 株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社は、PatientsMap2020JP(2020年日本版)と2020US(2020年度米国版)による希少・難治性疾患82疾患の「新薬の登場を望む」と回答した新薬要望率の2国間比較を発表した。

 先ず、PatientsMap2020JPと2020USの全回答医師における希少・難治性疾患の新薬要望率を比較した。(図1)
 両国とも「全身性エリテマトーデス」と「シェーグレン症候群」の新薬要望率が上位に位置づけられているが、「全身性エリテマトーデス」は人口比でも患者数が日本を大きく上回るとみられる米国がより新薬要望率も高い傾向がみられる。
 また、「全身性エリテマトーデス」以外で、日本よりも米国において新薬要望率が高い傾向がみられたのは「ループス腎炎」、「好酸球性消化管疾患」、「ギランバレー症候群」、「神経線維腫症Ⅱ型」。一方で、米国よりも日本において新薬要望率が高い傾向がみられたのは「ベーチェット病」、「進行性核上性麻痺」、「筋ジストロフィー」となり、これら殆どの疾患は各国内での新薬要望率の上位に位置付けられている疾患である。

 次に、PatientsMap2020JPと2020USで調査した希少・難治性疾患について、各疾患患者を1名以上診療している診療医師に限定して新薬要望率を比較した。(図2:小サンプルを除く47疾患について比較を実施)
 日本よりも米国において新薬要望率が高い傾向がみられたのは「進行性核上性麻痺」、「副腎白質ジストロフィー」、「ハンチントン病」、「C3腎症」、その他複数疾患。一方で、米国よりも日本において新薬要望率が高い傾向がみられたのは「封入体筋炎」、「ミトコンドリア病」、「移植片対宿主病」、「シャルコー・マリー・トゥース病」、「筋ジストロフィー」、「軟骨無形成症」となり、診療医師においても前述の全回答医師の分析結果と同様に、多くの疾患は各国内での新薬要望率上位に位置付けられている疾患となる。

 今回の分析結果から、日本と米国での希少・難治性疾患の新薬要望は、要望上位にあげられる疾患に国による違いが出てくることはさることながら、要望率の高さも国によって違いが出てくることが分かった。新薬開発のグローバル戦略において新薬要望(アンメットニーズ)は各国の患者の規模と合わせた指標として活用されることを期待したい。

 PatientsMapは日本、米国、中国、英国の世界4か国の医師39,000人の協力により、希少疾患を含む約400疾患の診療疾患の有無や診療患者数、新薬ニーズを調査した大規模データベースである。
 PatientsMap2020年日本版は2020年5月20日から2021年8月28日までの期間で調査が行われ、新薬要望については、直近一カ月において、1人以上の疾患を診療した疾患を対象として、新薬の登場を望むか、否かについて調査を実施している。

(図1)全回答医師ベース:PatientsMap2020JPと2020USによる希少・難治性疾患の新薬要望率比較
※図内の破線は2国間の比率の差が±0.5%にあたる部分

(図2)診療医師ベース:PatientsMap2020JPと2020USによる希少疾患・難治性疾患の新薬要望率比較
※比較製品両方について30サンプル以上の47疾患を表示
※図内の破線は2国間の比率の差が±5%にあたる部分

※図1,図2のデータソース:
PatientsMap2020JP、2020US
USは診療患者が重複していると考えられるFamily Practiceを除く回答データ
PatientsMapの難治性疾患(RARE)区分において調査した82疾患について比較を実施(図2は47疾患)

(参考)
日本医師における希少・難治性疾患の新薬要望率トップ10ランキング

米国医師における希少・難治性疾患の新薬要望率トップ10ランキング


「PatientsMap 2020 日本版」の概要

 エムスリー株式会社が運営する医療従事者向けポータルサイト「m3.com」の会員医師29万人を対象に調査を実施。

対象疾患 420疾患
調査対象 エムスリー会員医師
調査方法 インターネット調査
分析対象数 20,196人
実施期間 2020年5月20日~2020年8月28日実施
調査項目 診療疾患
診療患者数
薬剤処方患者数
新薬の登場を望む疾患
MR訪問状況
インターネットによる情報提供の有無
信頼できるメーカー

「PatientsMap2020年度 米国版」の概要

 M3 Global Researchパネルを対象に調査を実施。

対象疾患 418疾患
調査対象 M3 Global Researchパネル
調査方法 インターネット調査
分析対象数 6,085人
実施期間 2020年12月19日~2021年1月26日実施
調査項目 診療疾患
診療患者数
薬剤処方患者数
新薬の登場を望む疾患
MR訪問状況
インターネットによる情報提供の有無
信頼できるメーカー

なお、本サービスにつきましては、日本国内では、株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社が共同で提供いたします。

■本件お問い合わせ先

株式会社社会情報サービス
e-mailpatientsmap@ssri.com
■株式会社社会情報サービス
設立 1982年4月
資本金 2,700万円
代表者 代表取締役 牧田 孝
従業員数 137名
所在地 本社
〒162-0067
東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F
大阪支社
〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F
関連会社 PDリサーチ株式会社
MDB株式会社
SSRI China Co., Ltd.(海外子会社)
SSRI Asia Pacific Co., Ltd.(海外子会社)
HIMA Research(海外関連会社)
URL https://www.ssri.com/
■エムスリー株式会社
設立 2000年9月
資本金 289億2,500万円(2020年3月31日現在)
代表者 代表取締役 谷村 格
連結従業員数 7,127名(2020年3月末現在)
所在地 東京都港区赤坂1丁目11番44号 赤坂インターシティ10階
URL https://corporate.m3.com/
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