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2025年02月28日
株式会社 社会情報サービス

世界 希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day 2025)

~ 診断・早期介入の難しさ、医師が直面する希少・難治性疾患の現実 ~

世界希少・難治性疾患の日
毎年2月最終日は、世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day、以下RDD)です。
この日は、患者さんやご家族にとって、より良い診断や治療による生活の質の向上を目指して、疾患への理解と認識を高めるために設けられました。2008年からスウェーデンで始まり、日本でも2010年から2月の最終日に全国でイベントが開催されています。
希少・難治性疾患とは
希少・難治性疾患とは、患者数が非常に少ない疾患の総称であり、世界全体では約3億人がこれらの疾患を抱えていると推定されています。日本国内では、現在341疾患が厚生労働省によって指定難病として認定されており、研究や治療法の開発が進められています。しかし、患者数の少なさゆえに診断・治療の確立が難しく、社会的な理解も進んでいないのが現状です。
希少・難治性疾患への弊社の取り組み
弊社では、2018年からRDDの活動に協賛し、希少・難治性疾患の患者さんやご家族を支援してまいりました。
この度、RDDに合わせて、実際の医療現場で働く日本の医師2万人の声を分析し、希少・難治性疾患の診療状況やアンメットニーズの実態をまとめました。この分析結果が、診断・治療の課題解決に貢献し、より良い診療環境の構築に役立つことを願っています。
[ PatientsMapが示す、希少・難治性疾患における課題 ]
以下の図は、希少・指定難病の診療状況(左)と、医師のアンメットニーズとして、新薬の登場を望む理由や現在の治療で感じる不満点や課題のデータをまとめた結果(右)です。
希少・難治性疾患における課題
この結果から、希少・難治性疾患は患者数が少ないだけでなく、診療を担う医師の数も限られているという現状が確認できます。そのため、患者さんは専門医を受診するまでに時間がかかったり、適切な治療を受けられる医療機関が見つからなかったりする可能性が考えられます。
また、診療にあたる医師からは、診断の難しさに関する意見が寄せられました。希少・難治性疾患は症状が多岐にわたり、典型的な症状を示さないことも多いため、診断が困難な場合が多くあります。その結果、診断が遅れ、病状が進行してしまうことも懸念されます。
このような状況は、希少・難治性疾患の患者さんが、早期の診断と適切な治療を受けるまでに多くの困難に直面している可能性を示唆しています。引き続き、希少・難治性疾患に関する研究を推進し、治療方法の確立や新薬の創薬とともに、診断技術や診断方法の開発、疾患への理解促進などを進めることの重要性が改めて浮き彫りとなりました。
最後に
弊社は、RDDの理念に共感し、患者さん・ご家族・医療関係者・社会をつなぐ架け橋となるべく、今後も希少・難治性疾患に関する情報の収集・分析・発信を続けてまいります。本取り組みを通じ、診断技術の進歩や治療環境の改善に貢献できることを願っています。

■本件お問い合わせ先

株式会社社会情報サービス
e-mailpatientsmap@ssri.com
分析に利用したデータに関してhttps://research.ssri.co.jp/pmap/
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