プレスリリース

報道関係者各位
2007年01月26日
株式会社 社会情報サービス

病院版:後発医薬品の採用状況に関する調査の結果がまとまる

  • まだ増加傾向は維持するもののその傾向は鈍化の兆し
  • 「DPC導入による後発品増加要因」VS「品質イメージ、情報提供力、安定供給などマイナスイメージ」の綱引きが今後を左右する
  • 後発品メーカーの採用トップは沢井・日医工、MR訪問トップは沢井、後発品メーカーの企業力やブランド力も処方影響力となるか


このたび弊社では、「後発医薬品の採用状況に関する調査」(病院版)の結果をまとめた。この調査は2003年に行われた調査から3年を経た最近の状況を捉えるものであり、また開業医版についても2006年に先行しておこなわれている。

調査は全国の100床以上の国公立および私立病院2,224施設を抽出し、薬剤部管理責任者(薬剤部長など)を対象に郵送法で実施され、308施設の有効回答数を得た。(回収率13・7%)調査期間は2006年10月27日~12月6日。
今回対象施設における、薬剤の採用銘柄数は平均902.4銘柄、後発品の採用銘柄数を施設ベースで加重平均により算出したところ、11.6%であった。剤形では経口剤が高く12.5%。
4月からの採用銘柄の増加状況について経口剤は47%、外用剤は32%の施設が増加していると回答しており2003年の38%・21%を大きく上回った。注射剤は35%と03年の31%をやや上回る程度であった。
後発品の採用が進んでいる薬効群は経口剤では解熱鎮痛消炎剤が73%、消化性潰瘍剤が72%で高く、また慢性疾患用剤である血圧降下剤も67%にのぼり、これらは先発との混在はあるものの後発品が選択肢として多くを占める。注射剤では抗生剤・抗菌剤が63%、外用剤では鎮痛・鎮痒・収斂・消炎剤が70%でもっとも高い。

半年後の後発品処方機会の増減予想と予想増加率は、「増加すると思う」が61%、予想増加率は14.1%であった。これは03年調査の60%/15.6%にくらべると増加率はわずかに下がっている。
半年後に処方機会が増加すると思われる経口剤は1位:消化性潰瘍剤48%、2位:高脂血症治療剤44%、3位:血圧降下剤41%で03年調査より比率がやや下がったが順位は変わらず。ただ、前回7%であった抗真菌剤が34%と急浮上するなど、3年前との後発品増加がうかがえる薬効群が変化していることが明らかとなった。
注射剤では抗真菌剤が53%でもっとも高いが、03年の16%から大きく上昇した。
外用剤では呼吸器用剤が増加するとした施設が31%(03年は調査せず)と最も多いことなどから、それぞれの剤形で後発品の発売が見込まれている有力製品が挙げられる形となった。

現状の後発品処方割合は、院内では16.3%、院外での後発品変更可とする割合は21.2%であった。後発品変更可の処方箋が実際に調剤薬局で後発品に変わる割合はまだ少なく、調剤薬局側と後発品メーカーの対応が鍵を握るといわれるが、病院の院内ではもうしばらく処方増加が進むと見られる。
外来での後発品に関する問い合わせは半数以上が薬剤部で対応しており、32.2%が(部内で)積極的に対応、次いで21.5%が医師への誘導による対応をしている。

先発メーカーの後発品対策について、病院からの条件は、「効能・効果の違いを訴求:62%(03年は47%)」、「MR情報の量・質両面アップ:61%(03年は53%)」、「副作用情報提供の充実:57%(03年は56%)」が上位3項目であった。
一方、後発品の普及を妨げる要因として自由回答から得られた意見では、「病院の方針」、「DPCが進まないこと」、「後発品メーカーへの不安・不満」、「医師が持つ不満・不安」などが挙がった。

今回の調査では、後発品メーカー主要7社(沢井、日医工、メルク製薬、エルメッド・エーザイ、大洋、東和、サンド)について採用および訪問状況も調査したところ、採用しているメーカーとしては沢井、日医工が71.2%で最も高く、また、MRが来ているメーカーでも沢井が72.5%と他社を大きく上回る結果となり、企業力やその活動が病院薬剤部に影響を与える可能性も示唆するものとなった。

調査概要
1.調 査 名後発医薬品の採用状況に関する調査 病院版
2.目 的病院薬剤部における後発医薬品に対する、意識および先発品との切り替え意向を把握することにより、今後のマーケティング施策検討の基礎資料とする。
3.調 査 方 法郵送調査法
4.調 査 地 域全国
5.調 査 対 象
及び実施数
100床以上の病院の薬剤部管理責任者(薬剤部長など)回収数308施設
6.日 程実査 :2006年10月27日~12月6日

調査項目
1.後発品の採用・使用状況
(ア)後発品の採用・使用への取り組み
(イ)院内での総採用銘柄数と後発品銘柄の割合
(ウ)2006年4月からの後発品採用銘柄の増加状況
(エ)薬効別に見た先発品・後発品採用状況
2.今後の後発品の院内処方機会の増減予測とその背景
(ア)後発品処方機会の増減予想
(イ)半年後の推定増加率
(ウ)半年後に後発品の処方機会が最も増加すると思われる事例
(エ)半年後に後発品の処方機会が増加すると思われる薬効
(オ)後発品の処方機会が今後増加しないと思う理由
(カ)先発品が継続採用される条件
3.後発品の処方と患者対応状況及びその背景
(ア)院内処方での後発品処方割合
(イ)外来患者に対する「後発品変更可」処方せん発行割合
(ウ)外来患者に対する院外処方率
(エ)外来患者からの後発品に関する問合せとその対応
(オ)採用中およびMRが訪問している後発品メーカー
4.後発品の存在する薬剤への対応状況(対象:16銘柄)
(ア)対応する先発品の使用状況
(イ)後発品に切り替えなかった理由
(ウ)後発品を採用した理由
5.後発品発売が予想される薬剤(対象:13銘柄)
(ア)使用状況
(イ)後発品発売時の使用意向
調査対象プロファイル
(ア)病床規模
(イ)急性期病床登録の有無
(ウ)DPC導入・登録状況
(エ)施設分類
(オ)回答者の役職

調査対象薬剤一覧
【後発品の存在する薬剤】
薬剤ブランド名会社名
コニール協和発酵
メインテート田辺
メバロチン三共
リポバス万有
ガスターアステラス
ハルナールアステラス
バップフォー大鵬
ホクナリンテープアボット/マルホ
フルナーゼグラクソ・スミスクライン
クラリシッドアボット
クラリス大正富山
タリビッド第一
塩酸バンコマイシン塩野義
タキソールブリストル・マイヤーズ
サアミオン田辺
プロレナール大日本住友
  【後発品発売が予想される薬剤】
薬剤ブランド名会社名
アレグラサノフィ・アベンティス
アムロジン大日本住友
ノルバスクファイザー
タナトリル田辺
アマリールサノフィ・アベンティス
ガスモチン大日本住友
エバステル大日本住友
クラビット第一
メロペン大日本住友
カバサールファイザー/キッセイ
カイトリル中外
ゾフラングラクソ・スミスクライン
セディール大日本住友



調査結果納品物と提供価格
納品物
集計表 一式
報告書 一式

調査結果ご提供価格
\630,000.- (消費税込)
上記の基本参加料には、納品後における報告会(プレゼンテーション)費用を含んでおりません。
(報告会費用はオプションとなります)

会社概要
株式会社 社会情報サービス(東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F)
設 立:1982年4月
資本金:2,700万円
主な事業内容:市場調査の企画実施分析、コンピュータソフト開発、インターネット関連企画運営、マーケティングコンサルティング
代表者:牧田 孝(代表取締役社長)
従業員:50名
加盟団体:日本マーケティングリサーチ協会(JMRA)
日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)
連絡先:伊藤、山澤
  TEL 03-6709-9710
  FAX 03-5361-7431
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