プレスリリース

報道関係者各位
2017年09月26日
株式会社 社会情報サービス

「PatientsMap セミナー2017」開催いたしました

日本医科大学教授 大久保公裕先生が花粉症の経済損失について言及
~他の疾患に比べ、生産性の損失のインパクトが大きい~
~医療費の財政負担よりも、生産性の損失に注目すべき~

 株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社は去る2017年9月8日に「PatientsMap セミナー2017」を開催した。特別講演では、日本医科大学教授 大久保公裕先生から、花粉症による経済損失は他の慢性疾患や重篤な急性疾患よりも高い事等が紹介された。
 PatientsMapは2万人以上の医師の協力により400疾患の診療の有無や患者数を調査したデータベースで、2010年の販売開始以来、累計で製薬企業など50社以上が利用している。2017年版のデータ取集が終了し、9月30日のリリース直前の開催であった。
 今回のセミナーでは、特別講演として、日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学の大久保公裕教授による講演「花粉症治療の現在と未来」が行われ、アレルゲン免疫療法を中心に、花粉症治療の現状及び今後予想される進化が語られた。
 大久保教授の講演によると、今後AI(人口知能)の発展により、現状のような症状を抑える医療は医師による選択よりもAIで患者情報(遺伝子情報や症状など)から最適な選択肢を抽出する方が、より最適なアウトプットを得られる可能性が高くなるとされた。よって、医師の役割は「抑える医療」から「治す医療」によりシフトしていく事が示唆され、花粉症領域では、治癒が可能なアレルゲン免疫療法がより注目されるだろうとされた。また、花粉症は“仕事が出来なくなるほどの疾患ではないが、確実に仕事のパフォーマンスを下げる疾患である”事から、「高血圧症」「糖尿病」など、症状の少ない慢性疾患はもとより、重篤な急性疾患よりもトータル的にはより大きな生産性の損失が生じている疾患であることが紹介された。大久保教授はこれらを氷山にたとえ、顕在化している医療費負担が海面に見えている一角で、その下により大きな経済負担である生産性の損失があり、花粉症の医療経済を考える場合は、直接の医療費負担よりも、これら生産性の損失に注目すべきだと主張された。
 また、今回のセミナーではユーザー企業の担当者からPatientsMapの活用事例が2テーマ紹介された。
1つは帝人ファーマ・箕輪氏よりPatientsMapを利用した新規参入領域と資源配分の分析として、同社が新領域に参入した際に、どの診療科のどのレベルの医師までを主要顧客とすべきか、そのためにどの程度のMRを配置すべきかなど、事業戦略にPatientsMapのデータを活用した事例が紹介された。
 もう1つは、元武田薬品の石橋氏より“厚労省患者調査とPatientsMapの比較検証-指定難病を中心にー”の講演の中で、厚生労働省の患者調査における患者数及びPatientsMapで示されている患者数の特徴や限界が解説され、自身が得たい『患者数』情報へのアプローチ方法が示唆された。
 セミナーの開始に先立ち、プレセミナーとして主催者側からも、『医師ターゲティングのPDCAにおける活用』『アンメットニーズ分析』『地域分析事例』というテーマでの講演も行われた。
『医師ターゲティングのPDCAにおける活用』では、ターゲット顧客選定のPDCAにおける「PLAN」及び「CHECK」の段階で、PatientsMapでのデータがターゲット設定に使用可能であること、PatientsMapのデータとターゲットリストをマッチングする事でターゲット設定の検証が可能である事が紹介された。
『アンメットニーズ分析』では、米国の学会でポスター発表された資料を元に複数疾患の新薬ニーズの比較方法として、単純な“新薬希望率”だけでなく、診療患者数や診療医師比率なども考慮した、総合的なニーズ比較方法の提案がなされた。
『地域分析事例』では、PatientsMapが総回収数20,000件超と大サンプルであることから、最も回収数の少ない県でも100件以上の回収がなされていると紹介され、地域別で「罹患率の相違」「MR訪問率の相違」「新薬ニーズの相違」などの検証も可能であることが紹介された。

「PatientsMap 2017 日本版」の概要

本調査は、エムスリー株式会社が運営する医療従事者向けポータルサイト「m3.com」の会員医師25万人のパネルのうち、診療科ごとに無作為にサンプリングし実施。

対象疾患 401疾患
調査対象 エムスリー会員医師
対象条件 病院及び診療所医師の全科
調査方法 インターネット調査
協力医師数 20,135人
実施期間 2017年4月19日~8月6日実施
調査項目診療疾患
診療患者数
薬剤処方患者数
新薬の登場を望む疾患
MR訪問状況

なお、本サービスにつきましては、株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社が共同で提供いたします。

■本件お問い合わせ先

株式会社社会情報サービス
担当 傳農/茅野/木原
TEL 03-6709-9710
e-mail傳農:hdennoh@ssri.com
茅野:rkayano@ssri.com
木原:jkihara@ssri.com
■株式会社社会情報サービス
設立 1982年4月
資本金 2,700万円
代表者 代表取締役 牧田 孝
従業員数 110名
所在地 本社
〒162-0067
東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F
大阪支社
〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F
関連会社 PDリサーチ株式会社、SSRI China Co., Ltd.(中国法人)
URL http://www.ssri.com/
■エムスリー株式会社
設立 2000年9月
資本金 15億8,700万円
代表者 代表取締役 谷村 格
連結従業員数 4,370名(2017年3月末現在)
所在地 東京都港区赤坂1丁目11番44号 赤坂インターシティ10階
URL https://corporate.m3.com/
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