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プレスリリース

報道関係者各位
2018年08月20日
株式会社 社会情報サービス

「Inside China 2018」セミナー開催いたしました

中国首都医科大学付属北京世紀壇病院准教授宋清坤先生が特別講演にて、
中国のがん疫学と社会的背景について解説

 株式会社社会情報サービス、SSRI China、SSRI Asia Pacificは、2018年8月3日に「Inside China 2018」セミナーを開催、製薬・医療機器メーカー23社から約40名の方々にご参加いただきました。本セミナーでは、現在世界第2位の中国医薬品市場について、医師、患者の視点、市場調査会社の視点から発表が行われた他、特別講演として、中国首都医科大学付属北京世紀壇病院准教授宋清坤先生から、中国のがん疫学の状況と、中国の医療をとりまく社会的な背景についての解説が行われました。各発表の概要は以下の通りです

中国でのがん疫学 - 北京世紀壇病院準教授宋清坤先生による特別講演

~革新的新薬、日本メーカーにもチャンスか~
 中国での10年間にわたる各種の癌スクリーニング・プロジェクトの分析結果から、現行のがん予防・治療システムに不十分な点があることが示された。日本のがん予防・治療の現状と比べると、中国では、がんの早期発現が十分にできておらず、治療も標準化されていない。また、中国で発売されていない新薬も多く、従来の放射線療法と化学療法が中心であるため、生存率が上がらない、副作用が多いなどの問題点があげられた。
このため、中国政府は、海外からの革新的な新薬の輸入・承認プロセス、臨床試験において、「歓迎」政策を打ち出している。新薬承認時に海外の臨床試験データを受け入れる姿勢を示しており、西洋人の臨床試験データよりもアジア人(日本人)のデータの方が優位(認められやすい)と想定されるため、日本のメーカーが中国のがん領域に参入する良いチャンスであると考えられる。

中国医薬市場の基本状況

~3級病院への患者集中傾向が顕著~
 中国の国土面積は日本の約25倍と広く、地域差が激しい。約98万ある中国の医療施設のうち、大半は「基礎医療衛生機構」という小さな衛生所や診療所であり、軽度の病気の治療やワクチン接種程度しか行っていない。より高度な治療ができる病院は、医療施設全体の3%のみしか占めない。病院はインフラ設備、医療水準や専門家の人数などで三つの等級に分けられている。そのうち、最上級の三級病院は病院全体の8%しか占めていないが、診療患者数は病院に通う患者全体の半数を上回る。中国の医療保険の特徴は医療費償還に上限を設けている点である。

中国での市場調査

~保険制度のバイアスや医師と患者の信頼のカベも意識~
 中国で市場調査を実施する際、儒教の影響や「面子」の文化を忘れてはならない。座談会では本音が聞けない、点数評価の平均点が高いなど、調査を実施する際、また調査結果を理解する上でも注意が必要になる。また中国では、新薬が医療保険でカバーされず、保険償還額に上限があるため、医師は価格を非常に気にすることも覚えておくべき点である。最後に、中国では多くの患者が医師を信頼していない。患者や家族による医師への暴言、暴力(時には殺人)、告訴や慰謝料の請求などが多く、医師は患者のためではなく、「自分を守るため」にある治療や検査を選択している場合があることも覚えておくと中国の調査結果を理解しやすくなる。

中国医師調査による疾患診療実態とニーズ(PatientsMapデータ分析)

~巨大規模の呼吸器・慢性疾患。がんも既に異次元の規模に~
 今回PatientsMap中国データが10000以上の医師によるサンプルで分析され、リリースされた。それによると中国では、急性上気道・下気道感染症、COPD、肺炎などの呼吸系疾患、高血圧症、2型糖尿病、脂質異常症の所謂生活習慣病が推計患者数の上位を占めた。高血圧症患者は6100万人と推計された。癌の推計患者では胃がん、非小細胞肺がんが約210万人(日本はそれぞれ30万人、19万人)、次に結腸癌が180万人(日本は34万人)と推計された。回答した医師の新薬のニーズは、AML、ALLの血液癌、統合失調症、双極性障害の精神疾患が上位をしめた。
PatientsMapとは、希少疾患を含む約400疾患の診療・薬剤投与患者数を出来るだけ多くの医師を対象に調査した大規模データ(エムスリー社と当社による共同開発販売)。

中国の生活者・患者像の特性(NHWSデータ分析)

~推進政策下でOTC増加の中、それでも高いRXブランド志向~
 PRO(自己申告調査)であるNHWSデータによると中国都市部の未診断患者などの潜在患者を含む片頭痛の市場規模は6000万超、その半数以上は診断・治療を受けておらず、未診断患者は日本米国の2倍かそれ以上であることが示された。片頭痛・疼痛患者の2010,11年対2017年の年次比較では治療率は日米に比べ多く増加、中でも漢方を含むOTC利用が推進政策の下7割程度まで増加していることが特徴的であった。ただ、同時に疾患重症度や治療の嗜好・満足度を見るとOTCより処方薬(RX)、RXではジェネリックよりブランド志向ニーズ高いことも分かった。
 NHWSとは、主要10ヵ国の生活者を対象とした調査に基く165以上の疾患・症状を網羅した患者データベース(米国カンターヘルス社のオリジンで日本は当社が扱うサービス)。

「Inside China 2018」セミナー会場 「Inside China 2018」セミナー会場
「Inside China 2018」セミナー会場
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■本件お問い合わせ先

Inside China 2018について 都崎 ktsuzaki@ssri.com
zhangjun@ssrichina.com
中国市場調査について 篠崎 shinozaki@ssri.com
PatientsMapについて茅野 rkayano@ssri.com
NHWSについて船橋 sfunabashi@ssri.com
■株式会社社会情報サービス
設立 1982年4月
資本金 2700万円
代表者 代表取締役 牧田 孝
従業員数 137名
所在地 本社
〒162-0067
東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F
大阪支社
〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F
関連会社 PDリサーチ株式会社
SSRI China Co., Ltd.(海外子会社)
SSRI Asia Pacific(海外子会社)
HIMA Research(海外関連会社)
URL https://www.ssri.com/