プレスリリース

報道関係者各位
2022年03月28日
株式会社 社会情報サービス

欧米6か国における子宮内膜症の疾患負担
労働生産性、精神面への負担を患者報告アウトカム調査「NHWS」のデータより分析

株式会社社会情報サービス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:牧田孝)は提携する米国のCerner Enviza社(Kantar Health社がCerner社の一事業部門として統合され、2021年10月に社名変更)が企画・実施する世界12か国の国民健康調査National Health and Wellness Survey(NHWS)から公開した、欧米6か国における子宮内膜症を患う女性の負担についての分析結果を公表いたしました。

 NHWSは世界12か国において、原則的に一年に一回生活者を対象に行っている大規模な健康意識調査で、生活者の属性や生活の質および200以上の疾患・症状について有病率や診断率、治療状況についてアンケートを実施しています。

 今回はアメリカ、欧州5ヵ国(フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、スペイン)において子宮内膜症と診断された患者のデータから、推定患者数、労働生産性や日常活動への負担、うつ病や全般性不安障害といった精神面の影響について分析を行いました。

【推定患者数】
下記に掲載したインフォグラフィックの円グラフは欧米6か国の子宮内膜症と診断された患者の有病率を表しています。最も高いのはアメリカの4.9%で、次にイタリアが4.5%、スペインが4.0%と続きます。国家間の差は多少あるものの、およそ4%前後の有病率となっています。推定患者数はアメリカが340万人、欧州5ヵ国合わせて242万人となっており、全体で582万人もの成人女性が子宮内膜症を有病していることになります。

【労働生産性障害と活動障害】
 インフォグラフィック中段の棒グラフはWork Productivity and Activity Impairment(WPAI)1より算出された、子宮内膜症と診断された女性と診断されていない女性の労働生産性障害と活動障害の数値を表しています。全ての国で子宮内膜症と診断されていない女性(灰色の棒グラフ)より子宮内膜症と診断された女性(青の棒グラフ)の方が労働生産性障害と活動障害の数値が高いことが示されました。子宮内膜症を患う女性の方がより仕事や日常活動において大きな負担を感じていることが示されています。

【うつ病と全般性不安障害】
 インフォグラフィック下段の棒グラフはPatient Health Questionnaire-9 (PHQ-9)2からうつ病とスクリーニングされた女性の割合とGeneralized Anxiety Disorder -7 (GAD-7)2から全般性不安障害とスクリーニングされた女性の割合を示したものです。青の棒グラフは子宮内膜症と診断された女性、灰色の棒グラフは診断されていない女性を表しており、それぞれ濃い色の部分はうつ病あるいは全般性不安障害の症状が重い人の割合を示しています。全ての国において、子宮内膜症と診断された女性の方がそうでない女性に比べ、うつ病あるいは全般性不安障害の症状が重い人の割合が高いことが確認されました。

 WPAI、PHQ-9、GAD-7といった評価スケールより算出されたスコアから、子宮内膜症と診断された女性は診断されていない女性に比べて仕事や日常生活において大きな負担を感じていること、精神面でも同様に負担を強いられていることが明らかになりました。

 女性特有の疾患には、多くの女性が悩みを抱えているにも関わらずそれを他人には共有しづらいという特徴があります。今回は評価スケールを用いることによりその負担の一部を可視化しましたが、なかなか聞こえてこない患者の声を拾い上げ社会に共有していくことは、この疾患の社会的認知度の向上や意識の啓発につながると考えます。子宮内膜症を深く理解し最終的に患者のアウトカムを改善するには、このような女性特有の疾患の特徴を理解しつつ、更なる研究と意識の啓発が必要と言えます。

(図1)
図1

インフォグラフィック (Cerner EnvizaSM. The burden of endometriosis on women. North Kansas City.)
対象国:アメリカ・フランス・ドイツ・イギリス・イタリア・スペイン
データ抽出元:National Health and Wellness Survey (NHWS)(日本語製品説明ページ https://www.ssri.com/service/omnibus/nhws/

1 Reilly MC, Zbrozek AS, Dukes EM. The validity and reproducibility of a work productivity and activity impairment instrument. Pharmacoeconomics. 1993;4(5):353-65.
2 Developed by Drs. Robert L. Spitzer, Janet B.W. Williams, Kurt Kroenke and colleagues, with an educational grant from Pfizer Inc.

■本件お問い合わせ先

株式会社社会情報サービス
担当傳農、酒井、室賀
TEL03-6709-9710
e-mailnhws@ssri.com
■株式会社社会情報サービス
設立 1982年4月
資本金 2,700万円
代表者 代表取締役 牧田 孝
従業員数 137名
所在地 本社
〒162-0067
東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F
大阪支社
〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F
関連会社 PDリサーチ株式会社
MDB株式会社
SSRI China Co., Ltd.(海外子会社)
SSRI Asia Pacific Co., Ltd.(海外子会社)
HIMA Research(海外関連会社)
URL https://www.ssri.com/
■Cerner EnvizaSM
Global Office 2800 Rock Creek Pkwy North Kansas City, MO 64117 United States
Company Detail Cerner EnvizaSM aims to accelerate the discovery, development and delivery of extraordinary insights and therapies to improve everyday health for all people globally. By combining decades of innovation, life sciences knowledge and collaborative research, Cerner Enviza provides data-driven solutions and expertise that helps bring remarkable clarity to healthcare’s most important decisions. For more information on Cerner Enviza, visit www.cernerenviza.com.
URL https://www.cernerenviza.com
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