プレスリリース

報道関係者各位
2022年06月28日
株式会社 社会情報サービス

PatientsMap2022年日本版の調査開始
半数の医師がコロナ疑い診療を経験
治療の中心は救急や呼吸器などの大規模病院で、
HP小児科も若年者へ対応
半数の医師は5類感染症への切り替えを推奨

 株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社は、医師調査によるPatientsMap2022年度日本版の調査を2022年5月10日に開始した。PatientsMapは毎年2万人以上の医師の協力により、約400疾患の診療率や患者数、アンメット・メディカル・ニーズ(新薬の登場を希望)、製薬企業各社のリアルMRとe-ディテールの活動状況について調査した大規模データベースで、2010年から10年以上にわたって同じ調査フレームで継続的に調査を実施している。

 今回は、このPatientsMap2022年度日本版で調査中の、新型コロナウイルス感染症に対する対応状況と、保険診療切り替えに対する医師の考えについて、2022年5月上旬~6月上旬までの回答結果について分析を実施した。(PatientsMap2022年度日本版回収途中10,069サンプルについて分析を実施)

 新型コロナウイルスに対する医師の対応状況に関して複数回答で調査をした。(図1)最も対応の割合が高かったのは「疑い患者について発熱外来で対応」の52.3%で、約半数の医師が新型コロナウイルス感染の疑いがある患者の対応したことがあることが分かった。またワクチン接種は45.3%、PCR検査は40.9%の医師が対応したことがあるという結果であった。
 さらに、この新型コロナウイルスに対する対応状況をHP/GPの病院規模別に比較分析を実施したところ(図2)、「疑い患者について発熱外来で対応」 「コロナ患者の受け入れと治療」 「PCR検査実施」はいずれもHP施設に勤務する医師での対応割合が高く、特に「コロナ患者の受け入れと治療」はほぼHPの医師のみが実施していた形であった。一方「コロナワクチン接種」はGPの医師がHPをやや上回り、治療の中心は大規模病院でありワクチン接種はGPが対応したことが確認できた。
 更に、HP施設において「コロナ患者の受け入れと治療」の対応をした上位10の診療科について分析を実施した(表1)。HP施設において最もコロナ治療対応を実施した診療科は救急・ICUで79.7%、呼吸器内科が次いで70.4%であった。また、今回の調査においては小児科/小児外科が上位にあり60.3%の医師が対応したとしており、一時、学校や幼児施設で問題となった子ども世代での感染に小児科の医師たちが対応したことがこの結果からも示された形となった。

 また、新型コロナウイルスを現在の指定感染症からインフルエンザ並みに5類に切り替えることについての考えを5段階で聞いたところ回答医師の48.0%は切り替えを推奨した結果であった。(図3)
 これは診療科により異なる傾向があり、切り替え推奨とする診療科上位は、小児科(60.0%)、耳鼻咽喉科(57.1%)、リウマチ科(56.7%)と続く。(表2)
 小児科は前述のように6割の医師が患者の受け入れと治療を実施しており、その小児科で5類感染症への切り替え推奨が高い割合であったことは議論を呼ぶ結果と言える。

(図1)新型コロナウイルス感染症に対する医師の対応状況(全体n=10,069)
(図1)新型コロナウイルス感染症に対する医師の対応状況(全体n=10,069)
(図2)HPGPでの病院規模別 新型コロナウイルス感染症に対する医師の対応状況
(図2)HPGPでの病院規模別 新型コロナウイルス感染症に対する医師の対応状況
(表1)HP診療科別「コロナ患者の受け入れと治療」の対応割合
*小サンプルの診療科は分析外
順位診療科(n)コロナ患者の
受け入れと治療
1救急・ICU(n=172)79.7%
2呼吸器内科(n=257)70.4%
3小児科/小児外科(n=522)60.3%
4腎臓内科/透析科(n=136)58.8%
5麻酔科(n=351)52.4%
6血液内科(n=108)51.9%
7産婦人科(n=226)51.3%
8糖尿病/内分泌科(n=226)50.4%
9消化器外科(n=329)48.9%
10消化器内科/胃腸科(n=414)48.8%
(図3)新型コロナウイルス感染症を感染症5類(保険診療)に切り替えることに対する考え
(図3)新型コロナウイルス感染症を感染症5類(保険診療)に切り替えることに対する考え
(表2)HP診療科別 「新型コロナウイルス感染症を感染症5類切り替え推奨(Top2)」 割合
*小サンプルの診療科は分析外
順位診療科(n)5類切り替え推奨(Top2)
1小児科/小児外科(n=522)60.0%
2耳鼻咽喉科(n=177)57.1%
3リウマチ科(n=90)56.7%
4産婦人科(n=226)55.8%
5消化器外科(n=329)55.3%


「PatientsMap2022年日本版 (2022JP)」の概要

 M3医師パネルを対象に調査を実施。

調査対象 エムスリー会員医師
調査方法 インターネット調査
調査期間 2022年5月10日 実査開始
集計サンプルサイズ 20,000+@サンプル
調査疾患数 437疾患
調査項目 総患者数(直近1ヶ月)
疾患別診療患者数(直近1ヶ月)
疾患別薬剤処方患者数(直近1ヶ月)
新薬を望む疾患
疾患別新薬の投与を考慮する患者割合
疾患別新薬の登場を望む理由(自由回答/1人最大5疾患まで回答)
MR訪問を受けたメーカー(直近1ヶ月)
MRからリモートによる面談を受けたメーカー(直近1ヶ月)
インターネットによる情報提供(Web講演会を含む)を受けたメーカー(直近1ヶ月)
信頼しているメーカー

なお、本サービスにつきましては、日本国内では、株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社が共同で提供いたします。

■本件お問い合わせ先

株式会社社会情報サービス
e-mailpatientsmap@ssri.com
■株式会社社会情報サービス
設立 1982年4月
資本金 2,700万円
代表者 代表取締役 牧田 孝
従業員数 137名
所在地 本社
〒162-0067
東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F
大阪支社
〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F
関連会社 PDリサーチ株式会社
MDB株式会社
SSRI China Co., Ltd.(海外子会社)
SSRI Asia Pacific Co., Ltd.(海外子会社)
HIMA Research(海外関連会社)
URL https://www.ssri.com/
■エムスリー株式会社
設立 2000年9月
資本金 291億29百万円(2022年3月31日現在)
代表者 代表取締役 谷村 格
連結従業員数 9,384名(2022年3月31日現在)
所在地 東京都港区赤坂1丁目11番44号 赤坂インターシティ10階
URL https://corporate.m3.com/
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