プレスリリース

報道関係者各位
2022年08月25日
株式会社 社会情報サービス

中国MR活動トップ10社(外資6・内資4)による病院・都市の規模別分析

メーカーMRの活動は3級病院(大病院)を重点が共通
外資トップ3は各都市規模でも高いカバー、AZは小規模都市も際立つ
他外資は大都市を中国内資は地方都市を重視傾向

日系企業の訪問トップはエーザイ、2位武田も同様に大都市重視の活動

 株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社は、医師調査によるPatientsMap2022年度中国版のデータを利用して、病院規模別における都市規模別での製薬メーカーMRの活動の違いについて分析を実施した。
 本調査は2021年末から2022年3月初めに調査を実施しており、中国国内において新型コロナウイルス感染症の拡大が抑えられている平常時に近い状況での調査結果であるとの認識により分析を実施している。

 先ず、医師が過去1か月間にMRの訪問を受けた割合が高い製薬メーカートップ10社について、病院規模別にMRの訪問割合を比較した。(表1)
 いずれのメーカーにおいても病院規模が大きい3級病院へのMR訪問割合が高く、日系企業上位のエーザイと武田薬品工業も同様の傾向であった。

 次に、MRの訪問割合が高い傾向がみられた3級病院について都市規模別にMRの訪問割合を比較した。(表2)地域は、都市の規模別に1級都市、1.5/2級都市、3級都市以下の3つの都市階級に区分して分析を実施した。なお、都市の階級は数値が小さいほど都市の規模が大きくなっている。
 外資系の製薬メーカーでは、MRの訪問割合トップ3となるAstraZeneca、Pfizer、Bayerはいずれの都市規模でもMR訪問割合が高く、特にAZは規模の小さい3級都市でも高い訪問率であった。MR訪問割合トップ3以外の外資系製薬メーカーでは、都市の規模が大きいほうがMRの訪問割合が高い傾向がみられる。反対に、中国の内資系製薬メーカーでは都市の規模が小さいほうがMRの訪問割合が高い傾向がみられた。
 日系企業では上位2社のエーザイと武田薬品工業は、都市の規模が大きいほうがMRの訪問割合が高くなっており、MR訪問割合トップ3を除く他の外資系製薬メーカーと同様の傾向であった。

 以上の分析結果から、中国国内での製薬メーカーの活動は、病院規模が大きい3級病院への活動に重点がおかれるが、活動地域には違いがあることが分かった。多くの外資系の製薬メーカーが規模の大きい都市で活動を進めている一方で、内資系の製薬メーカーでは規模の小さい都市での活動をより重要視していることが示唆される。

 PatientsMapは医師の協力により、約400疾患の診療率や患者数、アンメット・メディカル・ニーズ(新薬の登場を希望)、製薬メーカー各社のリアルMRとe-ディテールの活動状況について調査した大規模データベースで、2010年から10年以上にわたって同じ調査フレームで継続的に調査を実施している。
 中国での調査は今回が3回目の調査であり、エムスリーグループ会社 医脈通が運営する医療従事者向けポータルサイトの会員医師に対して調査を実施。1万1千人の医師にインターネット経由で回答を得ている。

(表1)3級病院と3級病院以外別 MRの訪問を受けたと回答した医師割合の比較
(参考)全体
n=11,106
3級病院
n=8,092
3級病院以外
n=2,677
1.AstraZeneca27.6%28.1%27.3%
2.Pfizer22.9%24.4%19.5%
3.Bayer19.8%20.3%18.9%
4.Chia Tai Tianqing18.7%21.2%12.4%
5.Qilu17.4%19.1%13.6%
6.Novartis16.9%18.8%12.1%
7.Yangtze River16.9%17.9%14.9%
8.MSD16.5%18.3%11.9%
9.Jiangsu Hengrui14.3%16.9%7.8%
10.Sanofi13.2%13.6%12.9%
25.エーザイ6.7%7.7%4.0%
27.武田薬品工業6.0%7.1%3.0%
(表2)3級病院における都市階級区分別 MRの訪問を受けたと回答した医師割合の比較
3級病院
1級都市
n=1,170
1.5/2級都市
n=3,764
3級都市以下
n=3,158
AstraZeneca25.4%27.2%30.2%
Pfizer24.2%24.7%24.2%
Bayer21.7%19.9%20.2%
Chia Tai Tianqing16.4%22.1%21.9%
Qilu16.3%18.3%21.2%
Novartis20.3%19.8%17.1%
Yangtze River14.3%17.5%19.6%
MSD20.3%20.1%15.3%
Jiangsu Hengrui13.5%18.3%16.4%
Sanofi13.7%13.5%13.6%
エーザイ9.7%8.1%6.6%
武田薬品工業8.9%8.3%5.1%

Data souce:PatientsMap2022CN
※ 分析の全体母集団は、総合病院、専科病院(中医除く)、中医病院/中西医結合病院に勤務する医師
※ 中国国内の製薬メーカーは太字で表示
※ 表1において、全体の割合が高いトップ10社と日系企業でのトップ2社について分析を実施
※ 横方向に比較した場合に、最も小さい数値のセルと3pt以上差があるセルを黄色に色付け、5pt以上差があるセルを緑色に色付け

(参考)地域別の都市階級区分
1級都市
北京市上海市广东省, 广州广东省, 深圳
1.5級都市
重庆市天津市广东省, 东莞河南省, 郑州湖北省, 武汉
湖南省, 长沙江苏省, 南京江苏省, 苏州辽宁省, 大连辽宁省, 沈阳
陕西省, 西安山东省, 青岛四川省, 成都浙江省, 杭州浙江省, 宁波
2級都市
安徽省, 合肥福建省, 福州福建省, 泉州福建省, 厦门甘肃省, 兰州
广东省, 佛山广东省, 惠州广东省, 中山广东省, 珠海广西壮族自治区, 南宁
贵州省, 贵阳海南省, 海口市河北省, 石家庄黑龙江省, 哈尔滨江苏省, 常州
江苏省, 南通江苏省, 无锡江苏省, 徐州江苏省, 扬州江西省, 南昌
吉林省, 长春山东省, 济南山东省, 烟台山西省, 太原新疆维吾尔自治区, 乌鲁木齐
云南省, 昆明浙江省, 嘉兴浙江省, 金华浙江省, 绍兴浙江省, 台州
浙江省, 温州


「PatientsMap 2022CN」の概要

エムスリーグループ会社の医脈通が運営する医療従事者向けポータルサイト「medlive.cn」の会員医師を対象に調査を実施。
対象疾患 402疾患
調査対象 医脈通社会員医師(準医師を除く)
病院及び診療所全科の上位役職医師(主任医生、副主任医生、主治医生)
対象条件 病院及び診療所医師の全科
調査方法 インターネット調査
協力医師数 11,106人
実施期間 2021年12月27日~2022年3月4日
調査項目 診療患者数(直近1ヶ月)
薬剤処方患者数(直近1ヶ月)
新薬を望む疾患
MR訪問を受けたメーカー(直近1ヶ月)
対面以外の方法で情報提供を受けたメーカー(直近1ヶ月)
対面以外の方法でMR以外から情報提供を受けたメーカー(直近1ヶ月)
信頼しているメーカー
主診療科
主勤務先施設(エリア、施設形態、施設階級、病床数)
役職
年代

なお、本サービスにつきましては、日本国内では、株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社が共同で提供いたします。

■本件お問い合わせ先

株式会社社会情報サービス
e-mailpatientsmap@ssri.com
■株式会社社会情報サービス
設立 1982年4月
資本金 2,700万円
代表者 代表取締役 牧田 孝
従業員数 137名
所在地 本社
〒162-0067
東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F
大阪支社
〒541-0046
大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F
関連会社 PDリサーチ株式会社
MDB株式会社
SSRI China Co., Ltd.(海外子会社)
SSRI Asia Pacific Co., Ltd.(海外子会社)
HIMA Research(海外関連会社)
URL https://www.ssri.com/
■エムスリー株式会社
設立 2000年9月
資本金 291億2,900万円(2022年3月31日現在)
代表者 代表取締役 谷村 格
連結従業員数 9,384名(2022年3月31日現在)
所在地 東京都港区赤坂1丁目11番44号 赤坂インターシティ10階
URL https://corporate.m3.com/
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