株式会社 社会情報サービス
プレスリリース
株式会社 社会情報サービス
米国医師における希少・難治性疾患の新薬要望率トップ10ランキングを発表
調査回答医師全体における新薬要望トップは「全身性エリテマトーデス」、
「シェーグレン症候群」「ループス腎炎」がトップ3
一方トップ10疾患を診療している医師でのニーズは5位の「間質性膀胱炎」がトップに
希少疾患診療医によるニーズも重要指標に
株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社は、PatientsMap2020US(2020年米国版)による、米国内での希少・難治性疾患85疾患の「新薬の登場を望む」と回答した新薬要望率ランキング上位10疾患を発表した。
PatientsMap2020USの全回答医師(Family Practice除く)において、希少・難治性疾患で新薬要望率が第1位となった疾患は「全身性エリテマトーデス」で3.6%の医師が新薬の登場を望むと回答。2位以下は、「シェーグレン症候群:2.9%」、「ループス腎炎:2.3%」「好酸球性消化管疾患:1.7%」が続く結果となった。(表1)
一方で、これら全回答医師による上位10疾患について希少・難治性の各疾患患者を1名以上診療している診療医師における新薬要望率をみると、1位は「間質性膀胱:53.3%」(全回答医師5位)、「類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。):46.3%」(全回答医師8位)、「アミロイドーシス:44.3%」(全回答医師9位)などが上位となった。
なお、全回答医師において新薬要望率が第1位であった「全身性エリテマトーデス:35.9%」の診療医師での新薬要望率は、全回答医師における上位10疾患の中では第9位で、全回答医師においての新薬要望率上位10疾患の中では下位のほうにランキングされる結果となった。(表2)
また、希少・難治性85疾患について、各疾患患者を1名以上診療している診療医師においての新薬要望率を確認すると、「進行性核上性麻痺:67.4%」、「副腎白質ジストロフィー:63.3%」、「ハンチントン病:58.8%」、「C3腎症:58.5%」、「結節性硬化症:57.5%」などが上位となる。(表3:小サンプルは参考値として表中にのみ掲載)
希少・難治性疾患は総じていずれの疾患についても医師の診療率は低く、少数の医師たちが診療を行っている中でも、それら診療医が新薬を望んでいるかどうかを理解することも新薬開発を進めるうえで重要であることを示している結果といえる。
米国においては、1983年には希少疾患の治療や予防・診断に関するオーファンドラッグ法(Orphan Drug Act)が成立し新薬の創薬開発支援にも力が入れられている状況である。
しかしながら、希少・難治性疾患については対象疾患も多く、病気のメカニズムが複雑な事などから、まだまだ治療や創薬の研究が進まない疾患が多く残されているため、PatientsMapでは治療最前線での新薬要望ニーズの分析を発信し続けていく事で、患者さんや、そのご家族と一般社会を繋ぐ役割を果たしていきたい。
PatientsMapは日本、米国、中国、英国の世界4か国の医師39,000人の協力により、希少疾患を含む約400疾患の診療疾患の有無や診療患者数、新薬ニーズを調査した大規模データベースである。
PatientsMap2020年米国版は2020年12月19日から2021年1月26日までの期間で調査が行われ、新薬要望については、直近一カ月において、1人以上の疾患を診療した疾患を対象として、新薬の登場を望むか、否かについて調査を実施している。
順位 | 疾患 | 新薬要望率 全回答医師ベース |
---|---|---|
1 | 全身性エリテマトーデス | 3.6% |
2 | シェーグレン症候群 | 2.9% |
3 | ループス腎炎 | 2.3% |
4 | 好酸球性消化管疾患 | 1.7% |
5 | 間質性膀胱炎 | 1.5% |
6 | ギラン・バレー症候群 | 1.3% |
7 | 神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病) | 1.3% |
8 | 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。) | 1.2% |
9 | アミロイドーシス | 1.2% |
10 | ベーチェット病 | 1.2% |
TOP10疾患 での順位 | 85疾患 での順位 | ↓全回答医師ベースの新薬要望率TOP10疾患 | 診療医に おける 新薬要望率 | 診療医師数 n= |
---|---|---|---|---|
1 | 13 | 5. 間質性膀胱炎 | 53.3% | 150 |
2 | 26 | 8. 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。) | 46.3% | 147 |
3 | 36 | 9. アミロイドーシス | 44.3% | 149 |
4 | 41 | 3. ループス腎炎 | 42.5% | 294 |
5 | 43 | 2. シェーグレン症候群 | 41.2% | 381 |
6 | 49 | 6. ギラン・バレー症候群 | 39.8% | 181 |
7 | 51 | 10. ベーチェット病 | 39.2% | 166 |
8 | 57 | 4. 好酸球性消化管疾患 | 36.9% | 249 |
9 | 60 | 1. 全身性エリテマトーデス | 35.9% | 540 |
10 | 64 | 7. 神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病) | 34.7% | 202 |
順位 | 疾患 | 診療医に おける 新薬要望率 | 診療医師数 n= |
---|---|---|---|
1 | 乳幼児肝巨大血管腫 | 100.0% | 1 |
2 | 進行性核上性麻痺 | 67.4% | 46 |
3 | コケイン症候群 | 66.7% | 6 |
4 | 進行性ミオクローヌスてんかん | 63.6% | 11 |
5 | 副腎白質ジストロフィー | 63.3% | 30 |
6 | ニーマンピック病 C型 | 62.5% | 8 |
7 | 移植後血栓性微小血管症 | 60.7% | 28 |
8 | ハンチントン病 | 58.8% | 68 |
9 | C3腎症 | 58.5% | 41 |
10 | 結節性硬化症 | 57.5% | 73 |
PatientsMap2020US
USにおいて診療患者が重複していると考えられるFamily Practiceを除く回答データ
PatientsMap2020USのRARE区分において調査した85疾患について比較を実施
「PatientsMap2020年度 米国版」の概要
M3 Global Researchパネルを対象に調査を実施。
対象疾患 | : | 418疾患 |
---|---|---|
調査対象 | : | M3 Global Researchパネル |
調査方法 | : | インターネット調査 |
分析対象数 | : | 6,085人 |
実施期間 | : | 2020年12月19日~2021年1月26日実施 |
調査項目 | : | 診療疾患 診療患者数 薬剤処方患者数 新薬の登場を望む疾患 MR訪問状況 インターネットによる情報提供の有無 信頼できるメーカー |
なお、本サービスにつきましては、日本国内では、株式会社社会情報サービスとエムスリー株式会社が共同で提供いたします。
■本件お問い合わせ先
株式会社社会情報サービス | |
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patientsmap@ssri.com |
■株式会社社会情報サービス | |
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設立 | 1982年4月 |
資本金 | 2,700万円 |
代表者 | 代表取締役 牧田 孝 |
従業員数 | 137名 |
所在地 | 本社 〒162-0067 東京都新宿区富久町10-5 NMF新宿EASTビル 2F、3F |
大阪支社 〒541-0046 大阪府大阪市中央区平野町4-6-3 大明ビル4F | |
関連会社 | PDリサーチ株式会社 MDB株式会社 SSRI China Co., Ltd.(海外子会社) SSRI Asia Pacific Co., Ltd.(海外子会社) HIMA Research(海外関連会社) |
URL | https://www.ssri.com/ |
■エムスリー株式会社 | |
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設立 | 2000年9月 |
資本金 | 289億2,500万円(2020年3月31日現在) |
代表者 | 代表取締役 谷村 格 |
連結従業員数 | 7,127名(2020年3月末現在) |
所在地 | 東京都港区赤坂1丁目11番44号 赤坂インターシティ10階 |
URL | https://corporate.m3.com/ |